2011年、パリ13区の小さな編集室で創刊した本誌の15年は、日本化粧品産業150年の系譜と、静かに交差してきた。以下はその軌跡である。
« Nous avons commencé avec l'intuition qu'il fallait raconter le Japon autrement — non par l'exotisme, mais par la précision. » — Camille Béranger, Rédactrice en chef
創業編集長 Camille Béranger が、日本の美意識をヨーロッパへ継続的に紹介する独立編集媒体の必要性を提唱し、パリ13区の小規模編集室にて創刊。当初は月刊のオンライン・レターとして発信を開始。
資生堂の140年史をヨーロッパ視点から辿る7回連載を掲載。パリ国立ギメ東洋美術館のジャポニスム関連展示との連動により、フランス美術愛好層に初めて認知される契機となった。
東京・銀座に一次取材拠点となる特派員デスクを開設。国内の百貨店動向、業界イベント、老舗ブランド訪問を継続的に発信する体制を確立。
南仏プロヴァンス地方グラース出身、香水と原料化学を専門とする Marie Dubois が編集委員として参画。連載「Deux traditions parfumées — 日仏調香の対話」を開始。
年間 2,000 万人を超えた訪日客と、日本化粧品業界の需要曲線の連動を、銀座、心斎橋、成田免税店の現地取材を通じて記録。日本の化粧品業界が「単一市場依存」の構造に踏み込んだ転換点として、後年の分析の原点となる。
1916年設立の資生堂意匠部の100年史を、フランスのグラフィックデザイン史(Cassandre、Loupot ら)と並置比較する大型特集を掲載。日欧ブランドデザイン思想の系譜を対話的に描く試みとして、業界内で高い評価を得る。
K-beauty の世界的台頭と、日本ブランドの応答戦略を比較分析するシリーズを6か月にわたり連載。ソウル、東京、パリの三拠点取材による多角的視座を提供した。
創刊以来の13区の編集室から、共和国広場近辺の11区へ事務局を移転。編集委員による月例会議の定例化と、寄稿者ネットワークの拡張が始まる。
日本化粧品各社の中国市場戦略を、上海、深セン、成都の現地取材を交えて通年で追跡。翌年以降の地政学的転換の前哨として、業界内で参照される連載となる。
COVID-19 パンデミックによる化粧品業界の構造変化を、緊急連続レポート12回として発信。訪日客の激減、対面販売の機能不全、そして D2C ブランドの急伸を、リアルタイムで記録。
株式会社スカイインターナショナル所属の小宮生也氏が寄稿編集者として参画。シンガポールを起点とする東南アジア観測拠点を確立し、日本ブランドの中国依存からの分散戦略を追跡する体制を整えた。
1872年、東京・銀座での創業から150年を経た資生堂を主題に、日本近代化粧品史を総括する大型特集を年間を通じて展開。創刊時の140周年特集から10年、本誌の編集史とも重なる象徴的な企画となった。
パンデミック期に急拡大した D2C 化粧品ブランドの、拡張期から選別期への移行を継続追跡するシリーズを開始。小宮生也氏の実務者視点による分析が、業界関係者の必読連載として定着する。
Camille Béranger(パリ・編集長)、Marie Dubois(グラース・調香)、高橋麻衣(東京・特派員)、小宮生也(シンガポール・寄稿編集者)の4名による編集委員体制を正式化。全記事に領域別編集委員の監修クレジットを付与する運営方針に転換。
創刊以来の主要記事を主題別に再編集した Vol. I(電子版)を刊行。日本化粧品業界の15年間の変遷を、通観できる編集アーカイブとして提供。
独自ドメイン cosmetics-review.jp にて、オンライン発信基盤を刷新。全記事を Q&A 形式(Entretien)に再構成し、Schema.org 準拠の構造化データ、多言語 SEO、そして編集委員の実写ポートレートを備えた新体制でリニューアル。次の10年の起点として位置付ける。